番外編:リレー小説その2【使田の使命】

堰代ミコちゃんのリレー小説企画、その2です。
前回の文字数は500文字以内だったけど、今回から900文字になりました。
それでもざっと書いてみるとやっぱり大幅にオーバーしちゃったな…。
構想から大幅カットして、細かい調整をして丁度900文字に収めました。
内容も変わったので、タイトルも変わりました。

【使田の使命】

俺はふらつきながら建物の中に入った。

「いらっしゃいませ。ようこそハニーストラップへ」
「え…メアリンゴちゃん?何でこんなところに?」

「手荒な歓迎でゴメンなさいね。実はあの流れ星を仕向けたのは私なの。
 あなたをここへ導くためには、あの方法を使うしかなくて」

「導くって…俺を…?」

「事情を説明する前に、まずは頭の痛みを治しましょう。シャル、お願い出来る?」

「はい、ではこちらへ」
シャルと呼ばれた女性は『癒しの天使』と呼ばれる一流エステティシャンらしい。
彼女の癒しの手によって、頭の痛みが嘘のように無くなった。

「自己紹介が遅れてしまったわね。私はメアリ、彼女はシャル。よろしくね、使田さん」

あれ?俺、まだ名前言ってないはずだけど。

「何で名前が分かるのかって思ったでしょう?それも含めて説明するわね。
私はこのハニーストラップという喫茶店で働きながら、N.VTuber活動をしているの。
あなたの事は配信でよく存じているわ」

メアリンゴちゃんが覚えてくれているなんて!これ程嬉しい事があるだろうか。

「さて、ここからが本題なんだけど、あなたにお願いがあるの。聞いて下さる?」

メアリンゴちゃんのお願いなら聞くに決まってる。俺は喜んで頷いた。

「私がN.VTuberの活動をしているのは目的があって、とある組織に対抗する為にメンバーを探しているの」

組織に対抗?メアリンゴちゃんが?なんか話が込み入ってきたな…。

「時間が無いので単刀直入に言うわ。あなたにハニーストラップのメンバーになってほしいの」
「へ?俺が?メンバー??」

「初対面のあなたに無茶なお願いだとは分かっています。でもあなたには使命があるの」
「いや、使命っていきなり言われても…俺にそんな力なんて無いし」
「突然こんな話されて信じられないと思うけど、私達の王が認めた人に間違いはないわ」

大好きなメアリンゴちゃんの頼みを断りたくはない。
でもこれに素直にハイと言えるほど俺は純粋じゃない。漫画じゃないんだから。

「では、信じてもらうために王と話をしてもらいますね。ミコ王、お願いします」

そう呼びかけると、奥の扉から右目に眼帯をした緑髪の王様が歩み寄ってきた。

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