番外編:リレー小説その3【ハニーストラップとの出会い】

鈍い痛みがズキズキと頭を締め付ける。

彼女の優しい歌声のおかげで大分楽になってきたが、俺の異変に気付き歌うのを止めた。
「大丈夫ですか?頭が痛いの?」
「いや、もう楽になったので平気です。それより…本当に歌がお上手ですね」
「ありがとう。将来歌手になりたくて、今ギターを練習中なの」

なんて話をしていると、俺の隣に眼帯をつけた女の子がひょっこり現れた。
「この人間エリちゃんの歌にメロメロになってるー!」
そしてもう一人、
「そりゃまあ、目の前でエリの歌声を聴いたら惚れない人なんていないわよ。ね?使田さん?」

なんで俺の名前を?と思って振り返ると
「あ…メアリンゴちゃん!本物?なんでこんなところに?」

突然目の前に現れた推しのメアリンゴちゃんに動揺を隠せない。
「あーこいつメアリちゃんにもメロメロかぁ?顔が真っ赤じゃん!」とミコ。
少し離れた所からこの様子を見て、紺色の髪に褐色肌の女の子がクスクスと笑っている。

「こぉらあー!ハニーストラップは恋愛禁止だぞ!」
扉の奥から勢いよくピンクの角が生えた女の子が飛び込んできた。

「私はパトラ。このハニーストラップというアイドルグループのプロデューサーよ」

アイドル?この女の子達が?状況が呑み込めず呆然としている俺にパトラが喋り続ける。

「初対面でいきなり無茶なお願いするんだけど、私達のマネージャーになってくれない?」
「へ!?マネージャーって?俺が?」
「あなたメアリの配信によく来てくれているわよね。メアリのお墨付きなら信用出来るわ」
「いや待って、いきなりそんな話されても…」
「お願い、時間が無くて頼れる人はもうあなたしかいないの」

どうやら切羽詰まった様子らしい。状況を詳しく聞いてみることにした。
「もうすぐバーチャルアイドルの大会があるんだけど、
参加条件としてマネージャーも一緒に登録しないといけないの。お願い!この大会の間だけでもいいの」

いきなりとんでもない話だな。でも困っている女の子達を見過ごすなんてできない。
俺はゆっくりと首を縦に振った。

「ありがとう!これで大会に出場できる。みんな!必ず優勝するわよ!」

どういう訳か俺はハニーストラップのマネージャーになってしまった。

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